必死に逃れようとギラついた魚体は無防備で、針先が刺さる口元から流れる僅かな流血の臭いとギラつく魚体がおそらく更なる強者を呼び寄せたのだろう。

巨大な灰色の影が海面を揺らめき獲物を捉えた瞬間、喰い千切られたサーベル・フィッシュの頭部が、
島人に向かい張りが急激に緩んだ釣糸をバネに弾み飛んできて、間一髪避けると後ろ側の荒磯に落ちた。
ヘミング・ウエイの老人と海もそんな結末だった。張り詰めた糸が切れるとはよく言ったもので、島人は呆然と脱力し跪き仰向けに寝ころんだ。
島人が苦笑いしならが呟いた言葉は風のベールが遮断し、遙かなる海へと跳ばした。













縄文海岸 注意事項

釣り人はその日の潮の流れ(満潮時間は?大潮なのか小潮なのか?)を事前に把握し、他に風や雨や雷など空模様の変動を一等航海士スター・バックのように冷静かつ沈着に見極めなければならない

釣り人はヘミング・ウェイ著「老人と海」なりメルヴィル著「白鯨」を読んで巨大魚との格闘に夢を馳せるのは素晴らしいが、時に身の丈を知り慎め
旅人の釣師は島の海人から島の海の倣わしについて見聞を深め釣りに興じるべし
※ 海は予想だにしない危険が潜んでます。危険回避する術を常に意識しながら釣りを満喫しましょう